このような疑問にお答えします。
私は、プロボックス(サクシード)を自家用車として所有し、前期型と後期型の2台乗り継ぎ、仕事とプライベートで年間およそ15000キロほど走行します。
高速道路や一般道、峠道などありとあらゆる道を、プロボックスで嫌と言うくらい走ってきた筆者が、実体験を元に記事を書いています。
また、過去にはショップのレース専用マシンで耐久レースにドライバーとして参加するなど、モータースポーツの経験もあったりします。
プロボックス(サクシード)が速い理由6選
プロボックス(サクシード)が速い理由は次の6つが挙げられます。
- エンジンがトルク重視である事
- ローギアードである事
- 車重が軽量である事
- 車体の剛性が高い事
- 足回りが強化されている事
- タイヤが高剛性なバンタイヤである事
まず最初に、プロボックスには兄弟車のサクシードが存在し、見た目的にも中身的にもほとんど一緒なので、ほとんどの方が同じ車と認識していると思います。
私の自家用車もサクシードですが、プロボックス=サクシードと思って頂いて大丈夫です。
プロボックスが速い理由を6つ挙げさせて頂きましたが、これらの要素はスポーツカーが速い理由と共通している部分が多い事に気が付きます。
もちろん、商用車のプロボックスが絶対的な速さで本格的なスポーツカーに勝てる事はありません。
しかし、速く走れてしまう、飛ばしてしまう車というのは、安心してアクセルを踏める、飛ばしても疲れにくい車という事です。
安定感が無く、飛ばすと疲れる車では、速く走る事は出来ません。
営業マンの気合いで速いのだとか、ガソリン代が会社持ちで燃費を気にしなくても良いから速いのだとか、言われている部分もありますが、もう少し物理的に具体的に速い理由を考えてみようと思います。
それでは、プロボックスが速い理由5選を1つずつ解説していきます。
エンジンがトルク重視である事
プロボックスが速い理由の1つ目として、エンジンがトルク重視のセッティングである事があります。
低回転からトルクを発生するので、発進や加速時に速く走る事が出来ます。
プロボックスが使用されるシーンとして、街中の信号待ちや渋滞などで停止・発進や加速・減速を繰り返す事がある程度想定されており、このようなトルクを重視したエンジン特性となっています。
また、プロボックスは小型貨物車で最大積載量が400キロまであるので、荷物を満載した状態でもスムーズに走れるように、トルクが重視されています。
街中での速さを決めるのは、エンジンの最大出力よりもトルクの出方という面もあるので、このようなエンジン特性がプロボックスの速さを決定する1つの要因となっている事は間違い無いと思います。
ちなみに、サーキットのような場所では、ストップアンドゴーがほとんど無いので、最大出力という要素も速さを決める上で重要になってきます。
プロボックスが速い理由の1つ目として、エンジンがトルク重視のセッティングである事があります。
ローギアードである事
プロボックスは駆動系のギア比がロー傾向にセッティングされており、加速に有利となっています。
小型貨物車で最大積載量400キロという荷物を積む事を想定されている為、ローギアードとなっています。
荷物満載の状態を想定してのギア比となる為、空荷の場合には駆動力が過剰気味となります。
主に加速性能で有利となるので、街中や高速道路の合流などでは、俊敏に速く走る事が出来ます。
実際に空荷のプロボックスに乗ってみると良く分かるのですが、想像以上の俊敏な加速にはスポーツカーを連想させるものがあります。
筆者自身も、前期型の5MTプロボックスに初めて乗った時は、昔に乗っていたホンダインテグラタイプRの事を思い出したくらいです。
プロボックスは駆動系のギア比がロー傾向にセッティングされており、加速に有利となっている点が、速さの1つの要因となっています。
車重が軽量である事
車重が軽量である事も、プロボックスの速さを語る上で重要な要素になります。
プロボックスは小型貨物車で、荷物を積む事を想定されている為、元々の車両重量が軽く設計されている為です。
元々の車両重量が軽くないと、重たい荷物を積んだ時にとんでもない重量になってしまう事は容易に想像出来ます。
その為、車体が出来るだけ軽量になるように、シンプルな内装や最低限の装備を採用しています。
このような軽量化の手法は、一部のスポーツカーでも採用されており、プロボックスとスポーツカーの意外な共通点を見つける事が出来ます。
また、車両が軽量な事は、加速・減速・コーナリングなど多くの要素でメリットがあり、プロボックスが速いと言われる大きな理由となっています。
車体の剛性が高い事
車体の剛性が高い事も、プロボックスが速いと言われる1つの要因となっています。
最大積載量400キロの荷物を積む事を想定されているので、それに合わせて車体の剛性も強化されている為です。
また、プロボックスは商用車の為、使用期間が長く、走行距離も多く、メンテナンスは最低限という過酷な使用環境になりがちです。
その上、重たい荷物を積んだりするので、耐久性はかなり重視して設計されています。
足回りも荷物を積む関係で固く設計されているので、その入力を受け止めるボディも強く強化されている訳です。
固い足回りに軽量・高剛性なボディという組み合わせは、スポーツカーとかなりの部分で共通してきます。
車体の剛性が高い事も、プロボックスが速いと言われる1つの要因となっています。
足回りが強化されている事
最大積載量に合わせて、足回りも固めのものに強化されています。
重たい車体を支えるには、固い足回りが必要となる為です。
また、プロボックスは前後スタビライザーで安定性の強化も施されており、足回りにかなりコストが掛かった車と言えます。
足回りの構成も、フロントは独立懸架のストラットサスペンション、リアは左右のタイヤが直結された車軸式のサスペンションとなり、この構成はかの有名な名車であるAE86、通称ハチロクでも採用された足回りです。
あまり荷物を積まない状態だと、一般道では少し固く感じ、高速道路ではちょうど良い固さになります。
適度に固い足回りのお陰で高速道路の安定性が高いので、追い越し車線を飛ばしているプロボックスが多い理由は、安心してアクセルを踏める足回りがあっての事かも知れません。
最大積載量に合わせた固めのサスペンションと前後スタビライザーで、プロボックスの足回りは速く走れる仕様となっています。
タイヤが高剛性なバンタイヤである事
装着されているタイヤが、サイドウォールの剛性が高いバンタイヤである事も、プロボックスが速い理由の1つかも知れません。
バンタイヤは、サイドウォールのプライ数が多く、簡単に言うとたわみにくく丈夫なタイヤです。
元々は最大積載量の耐荷重を重視して採用されているタイヤですが、サイドウォールが固く剛性が高いので、まるでスポーツタイヤのようなフィーリングを持っています。
もちろん、幅も狭くコンパウンドも耐磨耗性能重視で、絶対的なグリップ力は無いですが、ステアリングを切った時の応答性や、コーナリング中やブレーキング時のタイヤのたわみが、スポーツタイヤに近い感触なのです。
コーナリング中のよれる感覚が少ないので、ある程度スピードを出しても恐怖感が出づらく、スポーツカーのような感覚で運転してしまう人も多いようです。
装着されているタイヤが、サイドウォールの剛性が高いバンタイヤである事も、プロボックスが速い理由の1つと言えそうです。