このような疑問にお答えします。
私はサクシードを仕事とプライベートで使用しており、月平均1800キロ、年間2万キロ弱走ります。
実走で得られた情報や実績を当ブログで発信しています。
今回はプロボックス・サクシードにも装着されているEGRという機構について、その効果やデメリットをご紹介しようと思います。
EGRの仕組み
EGRとは、排気ガスを吸気に混ぜてポンピングロスを低減し、燃費を向上させる機構です。
EGRは、エキゾースト・ガス・リサキュレーションの略で、日本語に訳すと排気再循環となります。
近年のほとんどの車には、燃費向上のためにこのEGRが装着されています。
仕組みを簡単に解説すると、エンジンが吸う空気に排気ガスを混ぜ酸素濃度を薄くする機構です。
EGRバルブにより、常に適切な量の排気ガスが吸気に混ぜられています。
なぜ排気ガスを吸気に混ぜる必要があるのか?その理由のひとつに、ポンピングロスの低減があります。
ポンピングロスはエンジン全体の損失の中でも、30%近くを占める大変大きな損失です。
ゆえにEGRは、燃費向上のための技術のひとつと言えます。
EGRとは、排気ガスを吸気に混ぜてポンピングロスを低減し、燃費を向上させる機構です。
EGRの効果
EGRの効果のひとつに、ポンピングロスの低減があることは先に述べましたが、ポンピングロスとはすなわち吸気ロスの事です。
スロットルを絞ることでエンジンが空気を吸う際の抵抗になり、そこにロスが生まれます。
極端な話し、アクセル全開の時はポンピングロスが無いということになります。
エンジンはアクセルをある程度踏み込んだほうが効率が良く、少ししかアクセルを踏んでいない状態では吸気抵抗がかかります。
そして、アクセルから完全に足を離し、全くアクセルを踏んでいない状態では、エンジンブレーキがかかり減速します。
例えば、幹線道路を時速60キロで定速走行している時など、少ししかアクセルを踏まないケースでは大きなポンピングロスが発生している事になります。
エンジンは吸う空気が多いほど、多くの燃料を消費するので、EGRによって吸気に排気ガスが混ざると、その分だけ吸う空気が減り、燃料の消費量が減ります。
その分出力は下がりますが、アクセルを踏み足すことによるポンピングロスの低減で相殺され、結果的に燃費向上に繋がります
もう少し分かりやすく表現すると、EGRとは吸う空気の量を少なくする事によって、エンジンの見せかけの排気量を少なくしてポンピングロスを低減し、燃費を向上させる機構だと私は考えます。
EGRのデメリット
吸気に排気ガスを混ぜるデメリットは、排気ガスに含まれる煤などが吸気バルブの傘に付着し、汚れやすくなることです。
吸気バルブの傘が汚れると、混合気のスワール(横渦)やタンブル(縦渦)に悪影響を与え、燃料の霧化も阻害するので燃焼効率が悪化します。
最悪の場合は、吸気バルブとバルブシートとの間に汚れが入り込み、圧縮圧力の低下などを引き起こす可能性もあります。
特に、燃焼室にインジェクターがある直噴エンジンは、吸気ポートにインジェクターがあるポート噴射のエンジンよりも汚れがたまりやすいです。
その理由は、ガソリンには洗浄作用があり、ポート噴射の場合は吸気バルブの傘にガソリンがかかるので汚れが洗浄されやすく、直噴の場合はその作用が無いためです。
よって直噴の場合は吸気系から吸引させるタイプの洗浄剤(ワコーズのRECSなど)で定期的にクリーニングすると効果的です。
EGRのデメリットは、排気ガスに含まれる煤などが吸気バルブの傘に付着し、汚れやすくなることです。