このような疑問にお答えします。
私はサクシードを仕事とプライベートで使用しており、月平均1800キロ、年間2万キロ弱走ります。
実走で得られた情報や実績を当ブログで発信しています。
今回は車のボディ剛性をあえて弱くする理由3つについて、実例と弊害をふまえながらご紹介しようと思います。
ボディ剛性について
トラックやバンなどの商用車やスポーツカーはボディ剛性が高く、乗り心地や寿命を重視する車はボディ剛性をあえて弱く設計していることがあります。
ボディ剛性が高いことには、メリット・デメリットがあるからです。
ボディ剛性が高ければ高いほど良いといって、戦車のようなボディにすると様々な弊害があります。
トラックやバンなどの商用車は、積載量が大きいのでボディ剛性が高く設計されています。
トラックはラダーフレームと呼ばれる強靭な骨格を有し、乗用車のモノコックフレームと比べて剛性がありますし、バンは補強板や厚板などでモノコックフレームが強化されています。
またスポーツカーも高負荷なスポーツ走行に対応するためにボディ剛性が高くなっています。
逆に乗り心地や寿命を重視する車は、あえて弱い箇所を作ることで、路面からの入力を逃がすような設計をしていることがあります。
また、ボディ剛性は車の操作性にも影響を与え、あえて弱い部分を作ることによってマイルドな挙動になるように設計されていることもあります。
例えば、路面からの入力に対応できないほどボディ剛性が弱いと、ふらふらして安定しませんが、逆にボディ剛性が高過ぎる場合は、安定はしますが厳密に言うと曲がりにくいセッティングになります。
車が曲がる時、ボディのしなりも利用して曲がっていることも無視出来ません。
このように、車の使用用途や味付けによってボディ剛性は変わります。
ボディ剛性と車の寿命
あえてボディ剛性の弱い場所を作って遊びを持たせることで、路面からの入力を逃がして車の寿命を伸ばしているケースもあります。
もし、全く逃げのないガチガチのボディだと、入力の逃げ場が無いため破損や亀裂の原因になり、逆に寿命は短くなります。
ボディもバネの一種と考え、柔軟性があり適度にしなるボディが理想です。
トヨタのクラウンなどは、乗り心地を良くする為と車の寿命を長くする為に、あえてボディ剛性を弱めた部分をつくり、地面からの入力を逃がすような設計をしていると聞いたことがあります。
ボディもサスペンションの一部だとすると、ボディ剛性が高くなるほど、乗り心地も固くなる傾向になります。
あえてボディ剛性の弱い場所を作って遊びを持たせることで、路面からの入力を逃がして車の寿命を伸ばすという発想もあります。
補強することの弊害
ボディ剛性を高めるためのパーツが市販されていますが、装着することによる弊害もあります。
補強パーツが付いていることにより、事故のダメージが増幅される可能性があります。
例えば、補強パーツとしてエンジンルームのサスペンションマウントまわりに取り付けるタワーバーという部品があります。
タワーバーを取り付ける事によってボディ剛性が向上し、左右のサスペンションを繋ぐことからスタビライザーと同じような効果があり、車の挙動が安定方向になります。
ひとつ注意したい事は、タワーバーはエンジンルームの左右を繋ぐので、もし左右どちらかが事故にあった場合、タワーバーが無ければ片方だけの損傷で済んだものが、反対側までダメージがおよぶ可能性があります。
このように、ボディ剛性を高めるためのパーツを装着することによる弊害もあります。